旧正月休み前に下落する中国産ADC12

2016/01/21


 世界同時株安、原油安で世界の金融、商品市場は下落の一途をたどっているが、アルミ合金マーケットでも状況は急変している。

 年明け1月第1週までは年末に上昇した勢いそのままで推移していた中国産ADC12だったが、ここにきて下落が鮮明になっている。中国のいわゆるA団のADC12対日オファー価格はトン1,750ドルから1,700ドルまで急落。

 背景には旧正月休み前の換金売りとの話も聞くが、単に中国アルミ合金メーカーで一時的にタイトになっていたスクラップ在庫が増加し、生産も伸びたところで日本向けにオファーが集中したところ、それまで強気だった中国側が値下げで契約競争に走った、ということと、国内に余剰のD12在庫を抱えている韓国から1,700ドル以下のD12も日本にオファーされているという。

 仮に日本着で1,700ドルとすれば現在の為替117円で計算するとキロ209円と、昨年11月下旬〜12月初旬の安値になる。中国D12が1,750ドルまで上昇した際には4-6月クォーター価格への期待も高まった合金業界ではあったが、世界経済の先行きとともにアルミ合金市場も再び困難な状況に入りつつある。

 しかし、国内アルミ合金メーカー、合金トレーダーのなかには意外に楽観視している声も聞く。
「旧正休みが明けたらまた価格は戻ってくる(中国産D12の相場は上昇する)。日本のアルミ合金需要は堅調。懸念された1-3月の自動車生産もトヨタ、マツダ、スバルはじめ各社好調。この1-3月は当初言われたほど悪くはない」
 また
「韓国の在庫売りは昨年もあったが数百トン(具体的には500トン)程度。影響は軽微。大勢には影響しない」とみている。
 その一方で
「下落した中国D12はさらに下がり、この円高。輸入品はなお増加する。国内D12の苦境はなお深まる」との見方もある。

 今年は予測不能の激変時代ゆえどちらに転がってもおかしくはないが、現時点ではあまりハッピーなストーリー展開は考えにくいのは現実か。

(IRUNIVERSE Y.Tanamachi)

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