低濃度PCB廃棄物とアスベスト無害化処理事業拡大 JXグループ

2015/05/27

 JX金属グループの環境リサイクル事業では低濃度PCB廃棄物の無害化処理と廃アスベストの無害化処理事業を発展拡大させている。今般、5月26日から開催されているNEW環境展(東京ビッグサイト)においてJX日鉱日石金属はブースを設け、同社の環境リサイクル事業をアピールしている。

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JX日鉱日石金属環境リサイクル本部企画部の佐藤部長によると、廃アスベストはJX金属環境(茨城県日立市)の高温溶融炉(1300℃〜1500℃)にてスラッジ、ガラスくずなどともに廃アスベストも高温で無害化処理したのちにスラグはケーソンとして再資源化し、日立港などの護岸工事に役立てているという。

 アスベストを使用した建材が廃棄物として排出される量は2020年にピークを迎え、年間120〜160万トンにのぼるといわれている。加えて2020年の東京オリンピックに向けて各所で解体工事が進み、伴って廃アスベスト発生量の増加が予想されている。
 現在、飛散性アスベストの8割~9割は埋めたて。この場合は埋めたて地を永久的に管理する必要があるという。

 低濃度PCB廃棄物については非鉄製錬業界ではDOWAが一歩先行。JXではJX金属苫小牧ケミカルにて低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業を行っている。同社は2014年3月に北海道で初の低濃度PCB廃棄物無害化処理の環境大臣認定を取得。この認定をもっていることでPCB廃棄物を処理する場合の煩雑な事前協議がカットされ、スピーディーに廃PCBの処理が行える利点がある。

 PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、電気絶縁性が優れていることから、主に変圧器、コンデンサの絶縁油、感熱複写紙などに使われていたが、有害性が社会問題化し、日本では1972年に製造が禁止された。

PCB処理の背景
 @ PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年度PCB廃棄物の保管および処分の状況について都道府県知事に届け出をすることが義務付けられている
 A PCB廃棄物の処分は法律により期限が定められており、2027年3月31日までに、PCB廃棄物を自ら処分するか、処分を他者に委託する必要がある。
 B 世界的にもストックホルム条約(POPs条約)により2028年までにPCB廃棄物を適正に処分することが求められている。

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PCB濃度が0.5%を超える高濃度のPCB廃棄物は、もとは国の特殊法人だった中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)が運営する全国5か所の工場で処理を行っている。PCB濃度が0.5%以下の低濃度PCBは全国で処理施設の認可が進められているが、トランス等に含まれる絶縁油だけでなく、トランス本体など筐体を含めた処理ができるのは苫小牧ケミカルを含めて全国9か所。

苫小牧ケミカルでは
 低濃度PCB廃棄物から固定床炉でPCBを過熱分離
 二次燃焼炉で絶縁油およびガス化PCBを850℃以上で燃焼し分解。
 排ガスは急冷塔で200℃まで冷却することでダイオキシン類の再合成を抑える
 バグフィルターでダイオキシン類の有害物質を除去し、無害化した気体として排出
という処理プロセスをとっている。

 また固定床炉で無害化した柱上トランスなどの筐体は銅、鉄、アルミ等にリサイクル。銅は当然のことながらJXグループのパンパシフィックカッパーの佐賀関製錬所にてリサイクル原料として投入されている。

(IRUNIVERSE YUJI TANAMACHI)

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