中国産ADC12続落 2230$前後 ロシア塊2000$割れ アルミ原料市況も下げ含み

 中国産ADC12は上海シグマ社がトン2300$をなんとか堅持しているが、他BC団クラスのメーカー単価は続落。ローカルベースでトン17,100元前後(増値税込み)で動いているが、17%増値税を外したバリューは2230$前後となる。他メーカーも同様で17,000元前後、しかし南部の寧波、仏山では16,700元という安値も散見さる。
中国 アルミ合金ADC12地区別価格一覧

ADC12&AK5M2 相場推移グラフ

16,700元の実勢ドルベースは2180$となり、為替80円で計算するとキロ174円、港着値ベースで183円。とかつての国内ベースメタル価格に近い。ここまで中国産ADC12が下がっている背景と理由は本サイトで幾度か既述しているが

@ LME相場安A中国内で供給過剰B加えての新規工場の立ち上げ、と圧倒的なSurplus感に包まれている。そして、中国産ADCの最大の顧客である日本市場は御承知のように為替の円高基調で前述した安値。いったいこの値段で中国の合金メーカーは利益がねん出できるかといえば否だろう。日本でもここ15年は限りなき体力消耗戦で原料高製品安がノーマルな状態となって久しいが、成長早い中国のアルミ二次合金業界はすでにして薄利多売の儲からない業種となっている。しかしそれでもシェアどりで採算度外視で安値供給を続ける合金業界の様相は破綻破綻のポリシリコン業界にも通ずる危険なディスカウント市場になっているように見える。

 一方、ロシア産ベースメタルのAK5M2もトン2000$割れで1980$。円価の港着値でキロ166円と若干驚きを禁じえない安値。国内ベースメタル生産者の嘆きが聞こえるようである。キロ50円以上の白黒エンジンを原料とし、ロシア塊同等、あるいは以下の値段で販売していたら恐らくは赤字であろう。

 扱い商社によると最近はロシア塊と中国BC団ADCの値差がかなり狭まってきていることから、ユーザーニーズはメタシリ分の多いADCを選択するケースが多いという。ロシア塊はオファー少なく、その理由としては船が少ないということも関係しているようだが、ロシア塊もお得意様である日本の嗜好が変わったこと、採算難でオファーを落としている面もあるかと推測される。

 ここまで輸入塊単価が下がってくると、国内ADCの後決め単価も3月末に期待していた「上げ」はまるで見込めない。下げ止まることを祈るばかりだが、グローバル視点でみるとギリシャの政局不安、欧州不安が続くかぎり、少なくともギリシャの再選挙までは相場地合いは軟調で推移するとみられる。従って合金製品ADC12の単価は単月でも下げ。

 合金メーカーでコスト調整するところは原価の85%を占めるアルミスクラップ購入単価を引き下げるしかなく、輸出向けの動向をにらみながらだが、もう一段の下げに踏み込む公算は大、とみる。

 アルミ新塊のプレミアムは7-9月でトン30〜50$と大幅に上昇する見込みだが
アルミ新塊港湾在庫 4月末は前月比4.2%減の23万4800トン 来期JPNプレミアムは50ドル以上の急上昇予測

 新塊の市場と合金の市場は全く異なるため、新塊プレミアムの上昇は合金にとってはほとんどプラス材料には成りえない。いわば高炉における鉄鉱石が新塊、電炉における主原料がスクラップであるように合金はスクラップ主体であるため、その重要な指標となっている輸入塊相場の下落、円高はアルミスクラップおよびベースメタル相場の強力な下押し圧力となるため、もう一段の下げは不可避とみる。


アルミUBCは余剰感有有
 アルミUBCはつい最近まで大手SR社と合金メーカーとの値差がキロ10円程度開いていたが、これは今も一部で続いている。富士の裾野に位置するSR社の工場には117円買値のときに入りすぎて一時荷止めを行っていたほどだが、これも多くのサプライヤーでは続いている。同社工場には高いUBCがうず高く堆積していることだろう。買い方が素人といってしまえばその通りなのだが、徒な高値を提示するのはある種のDNAでもあるため同社らしいといえば同社らしい。今現在は若干下げてキロ113〜115円どころ。しかし合金メーカーは105〜107円のレンジで今も明確な値差がある。UBCリサイクラー専業筋によると「今は置き場でキロ102円くらいだが、来月には100円を割り込むことになろう」と先安予想。季節的にUBCが最も多く発生するシーズンに入る。相場は下落。SR社の相場分析、市場分析が甘甘だったことがこの夏に露呈されることだろう。
(IRuniverse棚町裕次)

↑ ページの上部へ

最新講演会情報

最新講演会情報は>>こちら
講演会お申し込みは>>こちら

ニュース アーカイブ

準備中